女性の健康・50話 第27話 正確な胎児の情報把握 赤ちゃんに聞けたらいいのになあ−−。
芥川龍之介の作品「河童(かっぱ)」は、主人公が河童の世界に迷い込み、見聞きしたことを通して人間社会を風刺した小説です。この中に河童のお産が描写されています。河童の医者が、おなかの中の胎児に「生まれたい?」と聞き、胎児は「生まれたい」とか「生まれたくない」などと答えます。 毎日新聞 大阪朝刊 暮らし 健康 病を知る 女性の健康・50話
胎児の超音波や心音の検査で、たまに「河童みたいに赤ちゃんに直接聞けたらなあ」と思うことがあります。
人間のお産では、昔から胎児の心拍数を計測することで、赤ちゃんの状態を把握しようと努めてきました。近年、超音波(エコー)装置を使ってより詳しく胎児の状態を知ることができるようになりました。
しかし、これらの検査も赤ちゃんの状態を直接的に観測するものではなく、いわゆる「状況証拠」なのです。心音が悪くて赤ちゃんの状態が危ぶまれるお産でも、全く問題のない元気な赤ちゃんを分娩(ぶんべん)することがよくあります。超音波では異常と思われる所見が、生まれてからの検査で消えていたり、逆に見つけられなかったりすることもあります。
超音波検査をして赤ちゃんの病気が分かる率は20%あるかないかと言われています。また、慎重に胎児心拍数のモニターをみても、胎児の低酸素血症(胎盤を通して十分な血液や酸素が胎児に行かなくなる状態)が原因で起こるとされる赤ちゃんの病気や、後遺症を伴った成長の問題を、一定の確率以下に下げることはできないことが分かってきました。間接的な検査系で、いかにして胎児の正確な情報をつかむか、世界中で研究が続けられています。
「河童」のように赤ちゃんが直接答えてくれたらよいのですが。(阪大病院周産期母子医療センター産科病棟医長、荻田和秀)
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- 2007/09/30(日) 05:07:00 |
- 女性特有の疾患・レディスクリニックに関する情報 |
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