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【年金問題報告書6】「横領、まだあり得る」 産経新聞 主要ニュース 生活 福祉 無断転載禁止

【年金問題報告書6】「横領、まだあり得る」
◎年金保険料の横領等に関する調査
 ・年金保険料の横領等事案については、多数、かつ、多額の横領等が判明した。委員会は、支払ったはずの保険料の記録がないという問題の原因について横領等が原因となっているものはないかという観点から検証し、不正事案の実態を解明することが必要と判断、調査を行った。
 ・委員会は、社保庁の職員による年金保険料の横領等事案22件について、社保庁に資料提出を求め、横領等の隠蔽(いんぺい)を図るなど年金記録との関係から詳細な検討を要すると認められた事案12件について、社会保険事務所へ赴き実地調査を行った。 産経新聞 主要ニュース 生活 福祉 無断転載禁止 

 その結果、領収証書が不正に使用されるなど、不正行為防止のための内部事務管理態勢が不十分だったことが確認できた。納付拒否者や特例納付にかかわる事務の仕組みを悪用するなど、横領が発覚しにくい手口が利用されている事案も認められた。市区町村等の職員による横領等事案(90市区町村等、101件)については、不正行為期間が長期にわたるなど詳細な検討を要すると認められた事案が発生している11市区町村(15件)へ赴き実地調査を行った。

 その結果、不正行為防止のための内部事務管理態勢が不十分であることなどが横領等の発生の要因となっていることなどが確認できた。

 ・社会保険事務所に対する実地調査の結果、不正行為者による余罪や他の職員による同種事案の発生の有無に関する調査については、調査が不十分であると認められる事案も1件あった。

 また、市区町村に対する実地調査の結果、当該管内の保険料の未納があった全被保険者を対象として、納付記録を送るなどある程度確実と考えられる余罪調査を行った事案などが認められた。

 ・横領等の犯行が発覚した後の記録訂正状況についてみると、社保庁の職員による横領等の場合は、すべて訂正済みであると認められた。

 また、市区町村等の職員による場合、いずれも当時の事件記録に記録を訂正した旨の記載があることが確認できたが、被保険者個人名までは特定する資料が残っていない事案も存在した(3市区町村、4件)。

 ・調査の結果、未納者全員に対する催告等が完全に実施されていたとは認められない。また、特例納付にかかわる保険料や納付拒否者にかかわる場合などは、催告等が行われない仕組みとなっていた。特に、納付拒否者については、認定理由が各社会保険事務所の裁量に委ねられ、登録に必要な徴収事跡処理票を作成していない例もあった。

 横領等事案が伏在する可能性は否定できない。支払ったはずの保険料の記録が社保庁の側にないという問題の原因は、事務処理ミスの可能性のほか、横領等が原因の一つになっている可能性も否定できない。

 ・社保庁は、横領等事案が発生した後においても、内部事務管理態勢の徹底を図っていない例がみられること、催告状の送付の徹底や催告状が送られない場合の事務処理方法の見直しが不十分な例がみられることなど、横領等事案の再発防止の観点から、継続的な業務改善活動のための組織全体としてのサイクルを確立していなかったことが、横領等を繰り返し生じさせた原因の一つとなったと考えられる。

 社保庁および横領等が認められた市区町村は、国民の信頼を裏切ったことを真(しん)摯(し)に受け止め反省すべきである。

 ・今回の検証で、横領等が発覚せずに伏在している可能性は否定できず、社保庁や市区町村が公表した事案以外に横領等事案が存在するのではないかという国民の不安感を払拭(ふつしよく)するには至らなかった。

 委員会としては、横領等事案が伏在しているのではないかとの懸念がある場合には、社保庁が改めて調査を行うことを念頭に置くことが必要であると考える。