社説(2):ミャンマー災害 人的支援をなぜ受け入れぬ ミャンマーで発生した大型サイクロンによる被害が、時間の経過とともに拡大している。
軍政当局の発表によれば、死者2万3000人、行方不明者は4万人を超えた。サイクロンの被害としては、ミャンマー史上最悪だ。
世界各国から支援の申し入れが相次いでいるが、軍政当局は人的支援の受け入れを拒んでいる。これでは救援が遅れるばかりだ。
国連や各国政府の職員、民間活動団体スタッフの入国を早期に認め、被災民救済を急ぐことが、軍政当局のなすべきことである。 読売新聞 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 社説 無断転載禁止
被害はイラワジ川下流のデルタ低地帯が甚大で、犠牲者の大半はここで出た。
これまでに100万人を超える人々が家屋を失ったほか、道路網や電話など通信網が寸断された。電気も止まり、飲料水や食料の入手が困難になっているという。
日本はテントや毛布など2段階に分けて緊急援助物資を提供したほか、中国やタイなども援助を申し出ている。一部の物資はヘリなどで被災地に届けられている。
軍政当局は「支援の物資や資金は受け入れるが、人員は不要」との立場を崩していない。
米国は経済制裁を科しながらも、海軍艦艇による捜索、支援活動を提案した。しかし、軍政当局からの応答はなく、拒否するものと見られる。
緊急援助は人道目的であり、医療関係者が速やかに活動しないと、伝染病の蔓延(まんえん)など二次災害の発生にもつながりかねない。
こうした軍政当局の方針では、人道援助に乗り出す国際社会の懸念は強まるばかりだ。
被災状況を伝える外国メディアの入国、取材に、もっと門戸を開く必要がある。
予想を超えた大規模被害には人災的側面を指摘する声もある。
インド気象庁は、サイクロン上陸の48時間前に通告したと説明している。しかし、被災住民からは「予報の内容は不正確だった」と不満の声が聞こえてくる。
軍政当局は普段から、厳しく情報を統制しており、こうした閉鎖体制が、被害を必要以上に拡大させた疑問がぬぐえない。
軍政当局は新憲法案の国民投票について、一部被災地で延期するが、予定通り10日に行う。
法案の内容は、上下両院で議席の25%を軍人に優先的に与えるなど、軍政生き残りを打ち出したもので、民主派勢力は強く反対している。こうした混乱の中で実施しなければならないのか。
社説(2):ミャンマー災害 人的支援をなぜ受け入れぬ 読売新聞 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 社説 無断転載禁止
- 2008/05/09(金) 01:50:45 |
- 大気汚染・地球温暖化・地球環境破壊等に関する情報 |
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