はなちゃんくらぶ 朝一 医療・福祉・介護 ニュース

全国紙5紙を中心に、全国の地方紙に掲載された 医療・福祉・介護に関する専門の最新情報を、各テーマごとに集積をすることにより、現場関係者を含めて、幅広く活用して頂けるページを構築したいと考えております。運営:NPO法人花しょうぶ 

こころとからだの相談室:HRT(ホルモン補充療法)で使っているエストロゲン剤をゲル剤に替えたいのですが。 毎日新聞 ライフスタイル 健康 毎日らいふ 無断転載禁止

こころとからだの相談室:HRT(ホルモン補充療法)で使っているエストロゲン剤をゲル剤に替えたいのですが。 ◇質問
 40代後半から疲れやすいなどの更年期症状が出て、ホルモン補充療法を受けています。最近、皮膚に塗るゲル状のエストロゲン剤が出たと聞きました。主治医の先生にお尋ねすると、いま飲んでいる錠剤でもゲル剤でもどちらでもよいとのこと。ゲル剤を使った経験のある方に感触を聞きたいのですが、友人にはホルモン補充療法を受けている人はいません。費用や貼るタイプのパッチとの比較なども知りたいのですが。(52歳/女性) 毎日新聞 ライフスタイル 健康 毎日らいふ 無断転載禁止 

 ◇回答
 皮膚に塗るタイプのエストロゲン剤は、欧米を中心に広く使われているホルモン補充療法(HRT)用のくすりです。初めての方は、効果や皮膚刺激など聞きたいことが多いのは当然ですが、日本ではHRTの普及率が2%未満なので、30〜40%台の欧米とは大きく異なり、体験者の話を聞く機会が少ないのも現実です。

 まず、費用ですが、塗るタイプのエストロゲン剤には、健康保険のきくディビゲル(1回分ずつのアルミ分包)と自費のル・エストロジェル(プッシュボトル入り)があります。

 ディビゲルは、健康保険の薬価が1分包(1日分)63円70銭と非常に安く設定されており、自己負担3割で1か月分が600円に届きません。ほかに診察料、処方料、薬剤指導料、子宮がん予防のための黄体ホルモン剤の料金(手術で子宮をとった人は不要)ということになります。パッチの薬価は約62円です。

 自費のル・エストロジェルは1か月分で約1万円です。

 ゲル剤は、皮膚の角質層にいったん溜まった成分が吸収促進剤の働きで徐々に血液中に入り、効果を発揮します。直接血液中に入るので、肝臓や胃の負担が少なく、コレステロール値の高い人などに向いており、天然型のエストラジオールが使えるのも特色とされています。皮膚刺激が少なく、塗ってから1時間たてば洗っても大丈夫ですが、アルコール過敏症の人は注意が必要です。

 いいことずくめのようですが、体質などによって投与方法や薬剤の量には配慮も必要です。また、乳がんの既往歴のある人にはHRTは禁忌です。

 この方のように、飲むタイプの錠剤で十分体調もよい場合には、主治医の先生が言うように、無理に替える必要はなく、あとは自分の選択次第です。実際、使い慣れた錠剤で満足なので、替えないと言う女性もいます。

 一方、使ってみないとわからないからと、パッチからゲル剤に替えて試している女性もいます。

 HRTはある程度続ける治療なので、女性には使い勝手のよさも大事です。ゲル剤はシャワーの後で塗る習慣にすると忘れないし、パッチのようにかぶれたり貼っているのが見えたりしないのでよいともいわれます。エストロゲンの量を少なくしたい場合は、プッシュボトルでは通常は2回プッシュなのを1回にする、アルミ分包は1日おきに塗るなど、主治医に相談しながら工夫しましょう。

 塗り方は、腹部や太ももなどに広く薄くのばし、顔や胸は避けます。使い方は簡単でも、あくまでも医師の処方による医薬品なので、HRTを受けるのに必要な検査は、マンモグラフィーによる乳房検査、子宮がんのチェックを含め、忘れずに受けるようにします。

 働く女性にとって、更年期を上手に乗り切ることは、仕事の経験を生かすためにも大切です。エストロゲン頼みだけでなく、食事や運動、睡眠に気をつけ、おしゃれや旅行など自分を楽しませるゆとりももつよう心がけましょう。

☆NPO法人「メノポーズを考える会」の電話相談(03‐3351‐8001)火曜・木曜の午前10時半〜午後4時半。ホームページ http://www.meno-sg.net/
  回答者・安井 禮子(医療・健康ジャーナリスト)