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【中川晶の生き方セラピー】演奏会で奇声をあげたくなる 産経新聞 朝刊 主要ニュース 生活 からだ 無断転載禁止

【中川晶の生き方セラピー】演奏会で奇声をあげたくなる 音楽好きで、演奏会によく出かけます。演奏中、必ず頭をよぎることがあります。ここで奇声を発したら、場内はどうなるかということです。無論、一度もそうしたことはありません。こんなことを考えるのは、単に神経が過敏になっているからでしょうか。性格はどちらかといえば、潔癖性です。 神奈川県 男性(68) 産経新聞 朝刊 主要ニュース 生活 からだ 無断転載禁止 
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 なるほど、演奏会という特別な場で、場違いな奇声を発したくなるというのですね。

 本当にやってしまうと確かに大変だけど、そんな思いにとらわれたことがあるのは、あなただけではありませんよ。ひょっとしたら大抵の人は1回や2回、あるんじゃないのかなあ。

 かくいう、ぼくもそう。

 ピアノ演奏も佳境に入り、聴衆がつばを飲みこむのも分かるほど緊迫した静けさの中で、唐突に「いよっ、大統領、かっこいい!」なんて、威勢のいい芝居の合いの手みたいな掛け声を出したら、場内どうなるか。

 考えただけで、楽しいもんね。大混乱が起こるか、それとも案外無視されるだけだろうか…。

 あのね、あなたの癖は、精神医学でいうところの「強迫観念」に近いんじゃないかな。やっちゃいけないといわれていることほど気になるし、やらねばならないという変な考えが、振り払えないんでしょ。あなたが潔癖性だということも関係あるかもしれません。

 あなたが苦しいのは、「ここで奇声を発してはいけない」「そんなこと考えてもいけない」と、自分をがんじがらめに縛りあげてしまうからじゃないのかな。

 でもね、考えるのは自由なんですよ。何を考えても実行しなければ罪にはなりません。むしろ、とっぴなことを考えるのは一種の才能かもしれません。小説家や脚本家にはなくてはならない才能かも。

 もし、ここで奇声を発したら、どうなるかと考え始めたら、その考えを止めないで、むしろ膨らませて、面白い物語を作っちゃうというのはいかがですか?

 ただ気をつけないといけないのは、作った物語が面白すぎて、クスクス笑わないようにね。だって、それこそ周りから変に思われるかもしれないもの…。 (大阪産業大学教授、なかがわ中之島クリニック院長)